昔は子育てをしている夫、妻のうち、主に夫が働いて、
妻がいわゆる専業主婦をしていたため、子育てがしやすい時代がありました。
(昔は地域の付き合いもよく、3世帯同居も珍しくなかったのも要因の一つです)
しかし、現在は夫婦共働きが当たり前の時代。
ご近所付き合いも減り、地域で子供を見る習慣が無くなりつつある時代でもあります。
これを読まれている方の家庭も、多くが共働き世帯だと思います。
仕事をしたらお金をもらいますが、
それには以下のような式が成立します。
仕事=価値を提供すること
価値の提供=お金をもらうこと
つまり、
仕事をする=価値を提供してお金をもらうこと
ボランティアなどは除きますが、一般的な概念です。
多くの仕事をこなせば、手に入るお金も増える。
限られた時間でより多くのことをするには、効率化を図る必要があります。
人やシステム、現代はあらゆるものが効率化されています。
その恩恵を、私たちは非常に多く受けています。
例えばインフラが整っていることを挙げると、
生活をしていく上で、電車や車、道路などの交通網が整っていないと不便ですよね。
スーパーで買い物をするにしても、
今はセルフレジがあって、どんどん人が不要になってくる時代となっています。
しかし便利な世の中でも、
実は効率化してはいけないものがあります。
それが・・・・・子育てです。
なぜなら、子供は大人と体感時間が異なるし、
好奇心の塊だからです。
体感時間については「ジャネーの法則」というものがあります。

これは19世紀のフランスの哲学者である「ポール・ジャネ」が発見しました。
「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」
要約すると、時間の心理的な体感時間は年齢に反比例するというものです。
例えば、あなたが35歳で5歳になる子供がいるとします。
すると、あなたにとっての1年は35分の1に過ぎませんが、
子供にとっては5分の1の時間に感じるということを意味しています。
つまり、単純に7倍もの体感時間の差があるということです。
実際は「身体の代謝」や「過ごす場所」などにも影響しており、
単純に説明することはできないと言われています。
しかし年齢を重ねるほどに、
1年があっという間に過ぎたという経験が大人ならあると思います。
これを実感するのがジャネーの法則です。
ですから親のちょっと待ってが、
幼い子供にとっては、親の思っている以上に長い時間に感じてしまうのです。
これを理解すると、子供が我慢出来ないことも何とか許容しようと思います。
(それを言い訳に好き放題させてはいけないと思いますが・・・)
そんな事もあるよと、頭に留めておいて下さい。
本題はここからです。
子供は産まれた時から、あらゆる情報に触れ、物事を知っていきます。
好奇心の塊であるため、いろんな事に目がいきますし、やってみたいという気持ちが強い。
私の子供たちは、朝ご飯を食べて準備が出来たら、
幼稚園に行く前に外で遊びます。
最近の朝のツインズの遊びです。

大きめのタッパーに、
ダンゴムシや石ころ、砂、葉っぱなどさまざまな物を入れていました。
白い丸はペットボトルのキャップで、
その中に水で少し濡れた土を入れています。
大人からすると、何が楽しいかは不明ですが、
彼女たちはとても真剣(楽しそう)に取り組んでいました。
真剣に取り組んでいるときは、
あえて声かけをしないで、その様子を観察するように意識しています。
声をかけてしまうと子供の集中力が途切れてしまい、
今度は別の遊びをする可能性があるからです。
子供のワクワクを見つけることも、親の大事な役目です。
この遊びに効率化という考えを持ってくるのはナンセンスですし、
そもそも子供たちには効率化という概念すら無いです。
何に対しても興味を示す子供たちに、大人たちの都合は関係ありません。
ですから、
自然と子育ては、現代の社会の流れに逆らうように行う必要となります。
(自然とそのようになっていくという意味です)
特に共働きであれば、完全に主導権を子供に渡すのは不可能だと思います。
持論ですが、日々の生活リズムを整えることは意識してもらい、
遊びではたっぷり時間をとって、思いっきり遊ばせるのがバランスかなと思います。
効率化されることの恩恵は多分にありますが、
少なくとも子育てに関しては、子供の才能、やる気、関心を奪ってしまう可能性があります。
「早くしなさい」「何度も言ったよね」「どうして出来ないの?」
(私もときどき言ってしまいますが・・・)
幼稚園に行くのに準備が遅いから、ついつい手伝ってしまう。
(どうしても急ぎの場合は今でも手伝うことはありますが、早めに寝て早めに起きるなどの対策をとって、できる限り自分で準備させるようにしたいです)
効率化の中で生きている親と、そんな事は関係ない子供。
このギャップが、子育てをしにくくしている要因の一つだと思います。
新たな視点から、子育てって大変なんだなぁと感じました。
もちろん、日に日に成長する子供たちを見るのは楽しみです。
子供も親も大変な時代。
でも、ジャネーの法則や子育てに効率化は不要という考え方を知るだけで、
新たな視点を持てると思います。
ぜひ、日々の生活の参考にして下さいね。










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